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冷凍空調施設の事故について(平成5年)


平成5年(1993年)に発生した冷凍空調施設における事故について
 
平成5年に発生した冷凍空調施設における事故(通商産業省(現 経済産業省)に報告のあった事故)は6件で、そのうち、アンモニア冷媒によるものが5件、フルオロカーボン冷媒によるものが1件であった。また、これら事故の殆どは深夜から早朝にかけて発生したものであった。アンモニア冷媒による事故を災害現象別にみると、全て漏洩によるものであった。次に、取扱状態別にみると、停止中が2件、運転中が3件であった。なお、停止中のうちの1件は火災によるもので、運転中のうちの1件は無人運転によるものであった。また、これらの冷凍設備は昭和30〜40年代に設置されたもので、許可設備によるものが4件で、届出設備によるものが1件であった。次に、フルオロカーボン冷媒による事故についてみてみると、災害現象は破裂で、取扱状態は運転中であった。また、当該冷凍設備は、設置後13年を経過したものであった。

以下に、それぞれの事故の概要を紹介します。


(その1) 火災による、配管からの漏洩
 
(1)発生日時: 5年1月31日(日) 23時35分頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力210.86トン/日
(3)許可年 : 昭和40年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 停止中
(6)事故概要: 23時35分頃、アイスクリーム工場で、火災が発生し建物の損壊により、冷凍設備の配管3箇所が破損し、アンモニアが噴出漏洩した。応急措置(テーピング)を行い、その後配管内のガスを抜き2月6日漏洩を完全に止めた。


(その2) 空気混入運転による凝縮器の破裂
 
(1)発生日時: 5年2月21日(日) 3時30分頃
(2)発生場所: 愛知県下のフルオロカーボン22冷凍事業所
冷凍能力 4トン/日
(3)許可年 : 昭和55年頃
(4)災害現象: 破裂等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 3時30分頃、事業所付近の住民から爆発音がした旨の110番通報があった。爆発音は、冷凍機の凝縮器の破裂によるもので、凝縮器の約半分が縦に裂けて開いていた。この事故で冷凍機の置かれていた機械室の屋根と壁が破損した。調査の結果、圧縮機の高段側に多量のスラッジ(炭化物など)が付着しており、吐出ガス温度が長期間高い状態で運転されていたと推定され、一方、低段側には銅メッキ現象があり、空気(水分)混入運転をした形跡があった。また、吸入配管の一部に亀裂があり、保護装置の作動不良の場合、空気の混入により冷凍機油との発火爆発の可能性が高いと推定されている。(冷凍機油は 227℃、21kg/cm2で発火する。)なお、当該冷凍機に装着されていた保護装置は、事故後、次のような状況であった。

1) 吐出温度開閉器( 130± 5℃)
第1系統の開閉器は、電線で取付けられガタが大きく温度検出が不能な状況であった。

第2系統の開閉器は、サーモリセット部が破損していたため、短絡していた。

2) 高圧圧力開閉器
2系統とも35kg/cm2を加圧しても作動せず。
* 事故の影響を受け作動不能となった模様

3) 可溶栓
可溶部は、事故でネジ部から折損し現品がなく作動の有無は不明。


(その3) 低圧弁作動不良に伴うヘッダーの破損(霜取り中)
 
(1)発生日時: 5年3月23日(火) 9時20分頃
(2)発生場所: 鹿児島県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力38.5トン/日
(3)許可年 : 昭和47年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 8時に19.9トン/日の冷凍機の運転を開始し、安定運転に入ったところで、3号冷蔵室のユニットクーラーのデフロストを行った。(デフロスト工程(ガス引き25分、散水13分、水きり25分)は、自動化されている。)9時20分、散水工程に入った頃、アンモニア臭を感じたので点検に向ったところ、居合わせた利用客より3号冷蔵室からガス漏れしている旨の申し出を受けた。直ちに、散水と液ポンプを停止し、吸入弁を閉に、出口弁を開にしてガス回収を行った。デフロスト散水工程は、液入口弁、ガス出口弁が自動的に閉じるシステムで、液圧上昇分は、定圧弁で逃がす構造になっているが、定圧弁の作動が正常でなく、管内圧力が上昇し過ぎて、一番弱いユニットクーラーの冷媒管ヘッダー仕切板の溶接部が破損したものと推定されている。


(その4) 圧縮機クランクシャフトシール部の摩耗・損傷
 
(1)発生日時: 5年4月28日(水) 6時40分頃
(2)発生場所: 山口県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力51.7トン/日
(3)許可年 : 昭和46年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 当該事業所は、前日より冷凍機を無人運転していた。6時20分、警備を委託している警備保障会社の火災報知器が異常発生の点灯をしたため、警備員が現場に急行すると、白煙とアンモニア臭が充満していたので消防署に通報した。6時40分、消防署員が送風機を用い白煙等の除去作業を行った。7時18分に出勤した冷凍保安責任者が、保護具を着用し関係弁を閉止し漏洩を止めた。この間、ガス漏えい検知警報設備は、鳴動し続けていた模様。原因は、圧縮機のクランクシャフトシール部の摩耗、損傷によるアンモニアガス及びオイルの漏洩と推定されている。


(その5) アキュムレータ下部液戻し配管フランジ部からの漏洩
 
(1)発生日時: 5年6月16日(水) 2時頃
(2)発生場所: 東京都下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力289.5トン/日
(3)許可年 : 昭和12年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 停止中
(6)事故概要: 当該事業所は、夜間、冷凍機の運転を停止していた。2時頃、近所の住人(北西 140m)が 2階の窓を開けたところ、異臭を感じ警察に通報した。巡回調査が行われたが、暗闇と臭気がそれ程でなかったためか、この時点では、発生源を特定できなかった。3時頃、7階の住人(北西0.7 Km)が窓を開けたところ、異臭を感じ警察に通報した。巡回調査中、強い刺激臭があったため、 3時51分 119番通報をした。消防署は、発生源の冷凍事業所へ電話連絡し現場に急行した。4時15分、冷凍保安責任者は、消防署員とガス漏出状況を確認した。漏洩場所は、A号冷蔵庫の中4階(地上14m)にあるアキュムレータ室で、出入口の隙間から白煙を上げていた。最初の漏洩は、2階天井コイル用のアキュムレータ下部の液戻し配管のフランジ部に何等かの原因で間隙が生じ、ここからアンモニア冷媒が漏洩した。その後、事故の対処のために行われた散水により、液封状態にあった3階用のアキュムレータの逆止弁は、周囲の氷が解かされ急激な温度上昇により液膨脹を生じ破損し、漏洩したアンモニア液は散水した水とともに流出したものと推定されている。

注) 破損した逆止弁は、事故後の調査で3階天井コイル入り口の弁が92年3月から4月に実施したデフロスト作業時に閉止されたままで、液封状態にあった。

この事故で、付近は長時間にわたりアンモニアの臭気で影響を受けたほか、消防署員3名が軽い凍傷を負った。


(その6) フロートスイッチの下部連絡配管の腐食
 
(1)発生日時: 5年9月5日(日) 5時45分頃
(2)発生場所: 東京都下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力8.9トン/日
(3)許可年 : 昭和44年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 5時45分頃、デフロスト作業を実施した後、冷凍機の運転を開始したところ、アキュムレータのフロートスイッチ連絡配管からガスが漏洩した。また、一軒隣の2階住民が刺激臭を感じたため警察に通報した。当該冷凍事業所では、直ちに、クーラーへのアンモニアの液送りを止め、アンモニアの回収を行った。また、漏洩箇所がアキュムレータのフロートスイッチの下部連絡配管付近からであることが確認できたので、フロートスイッチの両端バルブを閉止して、ガスの漏洩を止めた。原因は、アキュムレータのフロートスイッチの下部連結配管の腐食によるものであった。

上記の事故を参考に、同種事故の再発防止のため、設備管理とその改善及び点検・検査のチェックポイントとして、お役立ていただきユーザーへの適切な指導を期待します。


お問い合わせ先
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163





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