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冷凍空調施設の事故について(平成11年)


平成11年(1999年)に発生した冷凍空調施設における事故について
 
平成11年に発生した冷凍空調施設における事故(通商産業省(現 経済産業省)に報告のあった事故)は7件で、そのうちフルオロカーボン冷凍施設に係るものが1件、アンモニア冷凍施設に係るものが6件であった。これらの事故を災害現象別にみると、いずれも噴出漏洩によるものであった。以下に、それぞれの事故の概要を紹介します


(その1) バルブと配管の溶接部の亀裂
 
(1)発生日時: 11年4月15日 15:30頃
(2)発生場所: 北海道下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力88.06トン/日
(3)許可年 : 昭和26年(当該事故機は、昭和40年設置)
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 冷凍機の稼働中、圧縮機の出口付近のバルブと配管の溶接部に亀裂が生じアンモニアが漏洩した。作業員が漏洩に気づき、直ちに、漏洩箇所の上流側と下流側のバルブを締め漏洩を止めた。また、一方、アンモニア臭に気づいた付近住民の通報で、出動した消防署員により放水(中和)作業が行われた。この事故によるアンモニア漏洩量は、2〜3リットルと推定されている。


(その2) コンタクトフリーザーの亀裂(劣化)
 
(1)発生日時: 11年6月20日 16:00頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 10.99トン
(3)許可年 : 昭和51年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: コンタクトフリーザーの清掃のため、扉を開放して解氷していたところ、加工場内にアンモニアが充満した。このため、直ちに消防署と冷凍設備工事事業者に連絡した。加工場外にアンモニアが漏れないよう窓やシャッターを閉め、消防署員と工事業者とが連携して漏洩箇所を特定しバルブを閉止するとともに散水を行った。事故原因は、コンタクトフリーザーの連結用ゴムホースが差込式ニップルの先端部と接触していたため、フリーザーの上下動を繰り返しているうちに劣化(亀裂)した。そこに、解氷による圧力上昇が加わったため亀裂部が破れアンモニアが漏洩したものと推定されている。この事故によるアンモニア漏洩量は、100キログラムと推定されている。


(その3) バルブのフランジボルトの腐食
 
(1)発生日時: 11年7月12日 11:30頃
(2)発生場所: 沖縄県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 195.97トン
(3)許可年 : 昭和59年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中(点検中)
(6)事故概要: 平常業務中、製氷室内で、わずかにアンモニア臭がした。点検の結果、製氷室内のブライン槽に設置されたヘリングボーン蒸発器のバルブ付近でブライン水が泡立っているのが確認された。このため、バルブを閉じようと操作した瞬間、本管からバルブフランジが剥離しアンモニアが噴出した。事故原因は、バルブのフランジボルトの腐食によるもので、点検時のバルブ操作時に折損した。


(その4) 安全弁の作動による漏洩(タイマーの不作動)
 
(1)発生日時: 11年7月17日 22:10頃
(2)発生場所: 青森県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 94トン
(3)許可年 : 平成9年(譲渡・新規)
初回許可:昭和38年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 冷凍保安責任者が、2段圧縮冷凍機の運転を22時に停止するようにタイマーを設定して帰宅した。22時にタイマーが作動し、高段側圧縮機は正常に停止した。しかし、低段側圧縮機は停止せず、運転が続行されたため吐出圧力が上昇し、22時10分頃安全弁が作動した。また、除害槽に噴き出したガスは、勢いが強く周囲に拡散した。22時35分、当該冷凍機は手動操作により停止した。事故の原因は、タイマー作動時、低段側圧縮機の電源スイッチが切れなかったことによるものである。また、22時2分、高圧遮断装置の圧力センサーが異常高圧を検知しているにも関わらず圧縮機が停止しないといったトラブルも重なった。


(その5) フレキシブルホースからの漏洩と配管の誤切断(修理中)
 
(1)発生日時: 11年8月5日 10:10頃
(2)発生場所: 北海道下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 118.8トン
(3)許可年 : 昭和44年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 停止中(修理中)
(6)事故概要: 8月4日、運転開始時に第3冷凍機の中間冷却器出口配管のフレキシブルホースからガス漏れを発見した。直ちに、ガス抜き処理を行い、修理業者と工事打ち合わせを行った。翌日の10時、冷凍保安責任者の立会の下で修理業者が工事を開始したが、10時10分、修理業者が誤って第4号冷凍機の配管を切断したためアンモニアガスが噴出した。直ちに、元バルブを閉止し漏洩を止め、消防署へ通報した。事故原因は、第3号冷凍機と第4号冷凍機の配管が同寸・同形であったため、修理すべき配管を取り違えたためであった。この事故によるアンモニア漏洩量は、1〜2キログラムと推定されている。


(その6) フリーザーの配管のろう付け部の亀裂
 
(1)発生日時: 11年10月8日 8:30頃
(2)発生場所: 群馬県下のフルオロカーボン22冷凍事業所
冷凍能力 5.68トン
(3)許可年 : 平成8年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 7時過ぎに最初に出社したパートが、惣菜調理場の調理用燃焼器に点火した後、隣接した冷蔵庫のドアを開けた途端、ガス漏れ警報器(LP用)が鳴動したため、直ぐにドアを閉め、燃焼器の火を消した。7:30頃、社員が出社し、冷凍設備が異常である旨を設備の設置業者に連絡した。連絡を受けた設置業者は、冷媒漏れと判断し点検を行ったところ、コンプレッサユニットとフリーザーとの連結配管のろう付け部に亀裂が生じ冷媒ガスが漏洩しているのを発見した。このため、機械室側のバルブを締め火気の使用を禁じた。この冷媒漏れ事故で、調理作業中の従業員8名が、機械油或いはシンナーのような異臭を感じ、うち1名が目眩を覚えうずくまってしまったことから消防署に通報した。ガス中毒の疑いがあるとのことから7名が、救急車で病院に搬送されたが、全員身体には異常が無く数時間後に職場に復帰した。科学捜査研究所の現場調査の結果、フルオロカーボンが燃焼したときに生じる塩素系の反応が燃焼器付近で見られなかったことから、有毒ガスによる影響は低いと見られている模様である。事故原因は、経年の振動によりフリーザー付近の配管ろう付け部に亀裂を生じたためと推定されている。


(その7) 天井ヘアピンコイルの落下(霜取り中)
 
(1)発生日時: 11年11月2日 14:25頃
(2)発生場所: 青森県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 39.4トン
(3)許可年 : 昭和42年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 第2冷蔵庫において、庫内の氷霜取り作業をしていたところ、14時25分に天井ヘアピンコイルが落下し、アンモニアが漏洩した。また、霜取り作業をしていた女性は、そのヘアピンコイルの下敷きとなった。ガス漏れに気づいたアンモニアの送液バルブを締め消防署と冷凍設備会社に連絡し、到着を待った。出動した八戸消防本部のレスキュー隊により女性の救出作業が行われ、19時38分に救出を完了したが、救出された女性は、病院で死亡が確認された。死因は、アンモニアガスによる化学やけどと気道損傷によるものであった。

平成11年に発生した冷凍空調施設における事故は7件で、そのうちフルオロカーボン冷凍施設に係るものが1件、アンモニア冷凍施設に係るものが6件であった。これらの事故は、いずれも噴出漏洩によるものであったが、それぞれの事故から次のような教訓が得られるのではないでしょうか。

■(その1の漏洩事故への対応)
冷凍設備は、設備を廃止するまで、日常点検や管理を徹底する。
*この冷凍設備は、高圧ガス保安協会の施設検査時に老朽化が指摘され、平成11年4月に撤去することが予定されていた。

■(その2の漏洩事故への対応)
ゴムホースは、繰り返し曲げによる損傷が考えられるので、定期点検や定期交換が望まれます。

■(その3の漏洩事故への対応)
腐食しやすい環境下にあるフランジのボルトは、腐食の確認や定期交換が望まれます。

■(その4の漏洩事故への対応)
高圧遮断装置は、定期的に作動確認を実施する。

■(その5の漏洩事故への対応)
修理用配管と類似する配管が隣接している場合には、工事計画や工事の指示(工事する配管に表示札を付す等)を特に徹底するとともに、冷媒配管の切断に際しては、2名以上で前処理の状況等を確認することが望まれます。

■(その6の漏洩事故への対応)
冷蔵庫のドアを開けたとき、警報器が鳴ったため直ぐに、燃焼器の火を消すといった行動は大切です。また、設置業者が火気の使用を禁じたことも模範的な行動です。
*LPガスが漏洩していると錯覚したのだろうが、フルオロカーボンも直火で毒性ガスに変化することがあるからです。

■(その7の漏洩事故への対応)
定期的な霜取り作業を徹底するとともに、作業に際しては、2名以上で行う等の安全対策が望まれます。


お問い合わせ先
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163





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