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冷凍空調施設の事故について(平成13年)


平成13年(2001年)に発生した冷凍空調施設における事故について
 
平成13年に発生した冷凍空調施設における事故(経済産業省に報告のあった事故)は7件で、フルオロカーボン冷凍施設に係るものが2件、アンモニア冷凍施設に係るものが5件であった。これらの事故を災害現象別にみると、いずれも漏洩(うち1件は酸欠)によるものであった。以下に、事故の概要を紹介します。


(その1) フルオロカーボンガスによる酸欠(工事中)
 
(1)発生日時: 13年3月27日 11:00頃
(2)発生場所: 千葉県下のフルオロカーボン22冷凍事業所
冷凍能力14.78トン/日
(3)許可年 : 設置後15年以上経過
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 工事中
(6)事故概要: スーパーマーケットの冷蔵ショーケースの変更工事を行い気密試験終了後、試運転を行うため配管内の不活性ガス(窒素ガス)を大気放出していたところ、冷媒側の縁切り弁が不具合により設備内の冷媒ガス(フルオロカーボン22)が機械室に充満し、作業を行っていた工事業者の作業員2名が酸欠で倒れ救急車で病院に搬送された。2名は、いずれも軽傷であった。事故の原因は、弁の不具合及び機械室の換気をしながら機械室内に不活性ガスを放出していたが、その排気口の出口と吸気口とが接近していたことと、それらの取付位置が地下機械室へ下りる階段部分にあったため、一端、排気された不活性ガス等が再び機械室に流入して、機械室に充満したものと推定されている。


(その2) 熱交換器内の冷却管からの漏洩
 
(1)発生日時: 13年6月15日 13:05頃
(2)発生場所: 岩手県下のフルオロカーボン22冷凍事業所
冷凍能力 61.6トン/日
(3)許可年 : 平成2年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: スタートアップ
(6)事故概要: 昼休みが終わり、1階食品加工室で作業を開始した従業員12名が頭痛等の体調不良を訴えた。このため、救急車を呼ぶとともに、従業員の元冷凍保安責任者が2階機械室に設置された冷却装置(熱交換器)のバルブを閉め、食品加工室の換気を行った。体調不良を訴えた従業員12名は、病院で検査を受けた結果、11名は異常がなかったっが、女性1名は経過観察のため入院した。事故原因は、約10年ぶりに冷凍機の熱交換器を稼動させたところ、何らかの原因で2階機械室に設置された熱交換器内の冷却管から冷媒ガスが冷水側に漏洩し、冷水とともに1階食品加工室の冷水槽に流入して、冷水槽の蓋の隙間から食品加工室に流出したものと推定されている。


(その3) 圧縮機シャフトシール部からの漏洩(休止状態・倒産)
 
(1)発生日時: 13年7月6日 8:15頃
(2)発生場所: 青森県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 39.4トン/日
(3)許可年 : 昭和42年(許可)
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: その他(休止状態・倒産)
(6)事故概要: 倒産・休止状態の冷凍事業所からアンモニア臭がする旨、付近の水産加工場の従業員から警察に連絡があり、警察の通報を受けた消防署が出動し除害活動を行った。事故原因は、冷媒設備内のアンモニアガスが最近の気温上昇に伴い膨張したことにより、設備内の圧力が上昇し、圧縮機のシャフトシール部等から漏洩したものである。なお、当該事業所の冷凍機は、昨年暮れから稼動しておらず、冷蔵庫内は解凍状態になっていた模様である。


(その4) シャフトシール部の金属ベローズの亀裂(試運転中)
 
(1)発生日時: 13年7月12日 5:45頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 11.35トン/日
(3)許可年 : 平成13年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 7月11日23時40分頃、冷蔵倉庫の2階機械室に新設したアンモニアスクリュー冷凍機(6台)の試運転を開始した。そのまま連続運転をしていたところ、12日、5時50分頃、作業員が2階でアンモニア臭を感じ、工事業者及び当該冷凍事業所の関係者に通報した。6時30分頃、工事業者が、漏洩のあった冷凍機(冷媒保有量約100kg)から冷媒を回収し、冷凍機を停止後、漏洩箇所を調査したところ、当該冷凍機のシャフトシール部からの漏れが確認された。この間に、漏れたアンモニアガスは、2階機械室内及び荷捌室に拡散した。事故原因は、冷凍機のシャフトシール部(メカニカルシール)の金属ベローズの亀裂によるものであった。


(その5) ドレンバルブからの漏洩(バルブの閉め忘れ)
 
(1)発生日時: 13年8月27日 13:30頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 98.7トン/日
(3)許可年 : 昭和63年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 9時30分頃より、冷凍事業所の責任者と設備業者とで、冷凍設備の点検を開始し、13時30分頃終了した。その直後、運転を再開したところ、アンモニアが漏洩しているのを発見したため、従業員全委員を避難させ、冷凍機の運転を停止するとともに、漏洩のあった高圧受液器のドレンバルブを閉止した。その後、散水、ブロー及び換気を行った。事故原因は、点検時に、高圧受液器のドレン抜きを行った際、当該バルブを閉め忘れたものであった。


(その6) マニホールド吐出弁のグランド部からの漏洩
 
(1)発生日時: 13年9月10日 16:00頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 92.78トン/日
(3)許可年 : 昭和42年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 冷凍機の運転を停止し、マニホールド吐出弁のグランドナットを締め運転を再開した。その後、運転に伴いグランド部の温度が低下したため、グランド部からアンモニアが漏洩した。事故原因は、作業手順ではグランドナットを締め運転を再開した後、数時間後、再度、グランドナットを締めることとなっているが、この手順に従っていなかったためであった。


(その7) 天井ヘアピンコイルの落下(霜取り中)
 
(1)発生日時: 13年10月3日 15:10頃
(2)発生場所: 三重県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 90.3トン/日
(3)許可年 : 昭和41年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 作業員が冷蔵庫の天井ヘアピンコイルの霜取り作業を行っていた際、隣接する冷蔵庫のヘアピンコイルが落下しアンモニアガスが漏洩した。他の作業をしていた従業員が、冷蔵庫の奥の方で何かが落下した大きな音がしたので、急いで奥の冷蔵庫に入ると、ヘアピンコイルが落下し、アンモニアガスが鼻を突く臭いがしていた。除霜作業中の作業員を探したところ、隣の部屋の中二階にいるようだが、アンモニアガスが充満しているため冷蔵庫内に入れず、作業員は冷蔵庫内に取り残された。このため、急いで、事務所に戻り15時20分頃、消防署に通報した。10分後、消防署員が到着し、散水による除害作業及び取り残された作業員の救出作業を開始した。16時00分頃、同事業所の従業員が送液配管の止め弁を閉止。16時20分頃、冷蔵庫内に取り残された作業員を救出し病院に搬送した。事故後の調査で、落下したヘアピンコイルは3箇所で天井に固定されていたが、中央部の固定箇所では梁(木材)ごと、両端部分はボルトがナットごと抜けているのが確認された。事故原因は、ヘアピンコイルの霜取り作業がここ数年行われておらず、ヘアピンコイルを支持していた梁等が腐食していたことに加え、霜取り作業の際に加えられた振動等が引き金となり、ヘアピンコイルの落下に至ったものと推定されている。この事故で、アンモニアガスを多量に吸い込んだ作業員は、意識が朦朧とした状態となり、救助にあたった消防署員1名もアンモニアガスを吸い込み、階段を踏み外して左足首を骨折した。また、周辺は、約3時間にわたり鼻を突く臭いが立ちこめたため、消防本部は現場から半径50mの民家に窓を閉めるよう呼びかけた。

平成13年に発生した冷凍空調施設における事故は7件で、フルオロカーボン冷凍施設におけるものが2件、アンモニア冷凍施設におけるものが5件であった。これらの事故から次のような教訓が得られるのではないでしょうか。

(その1の漏洩事故への対応)
フルオロカーボン22冷凍施設の変更工事等に際しては、安全に冷媒ガスの回収を行い、冷媒ガスを漏洩させないよう注意が必要です。また、フルオロカーボン22は、大気中では無色、無臭の気体で、空気の2.9倍の重さがあり、空気中に漏洩した冷媒ガスは低いところに滞留しますので、作業中は、ガス検知器又は酸素濃度計により、冷媒ガスの漏洩がないことを確認することが望まれます。

(その2の漏洩事故への対応)
長期間使用していない冷凍機を運転する場合には、漏れ試験等を行い設備の各部に異常が無いことを点検してから行うことが望まれます。

(その3の漏洩事故への対応)
ある冷凍設備保安協会では、保安確保の観点から、倒産した冷凍事業所の破産管財人に対し、アンモニア冷凍設備と事故例などの説明を行い、冷凍機を長期間にわたり停止する場合には、第1に冷媒を廃棄するようお願いしていると聞いています。

(その4の漏洩事故への対応)
冷凍機の試運転中の漏洩事故ではあるが、万一の漏洩に備えての対策が望まれます。

(その5の漏洩事故への対応)
ドレン抜き作業を実施する場合には、作業終了後、バルブを閉め忘れることのないよう作業手順を徹底しておくことが望まれます。

(その6の漏洩事故への対応)
マニホールド吐出弁のグランドナット操作については、作業手順を遵守して行うよう徹底しておくことが望まれます。

(その7の漏洩事故への対応)
定期的な霜取り作業を徹底するとともに、作業に際しては、2名以上で行う等の安全対策が望まれます。

お問い合わせ先
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163





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