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冷凍空調施設の事故について(平成14年)


平成14年(2002年)に発生した冷凍空調施設における事故について
 
平成14年に発生した冷凍空調施設における事故(経済産業省に報告のあった事故)は5件で、フルオロカーボン冷凍施設に係るものが1件、アンモニア冷凍施設に係るものが4件であった。これらの事故を災害現象別にみると、漏洩によるものが4件、破裂等が1件であった。以下に、事故の概要を紹介します。


(その1) 中和アンモニア水の河川流出(冷媒回収中、バルブの不完全閉止)
 
(1)発生日時: 14年1月22日 14:00頃
(2)発生場所: 広島県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 78.2トン/日
(3)許可年 : 昭和42年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: その他(冷凍機撤去中)
(6)事故概要: 工場閉鎖のため、アンモニア冷凍機の撤去に伴う冷媒回収作業を、他社に委託して実施していた。作業終了時に、冷媒を回収容器に移充填するためのフレキシブルホースを接続した受液器側バルブを閉止し、当該ホース内の残留液化アンモニアを、水に吸収させて廃棄処理しようと、ホースの先端を貯水槽に差し込み、地下水を補給してオーバーフローさせていた。近所で土木作業をしていた者が、河川で魚が大量に死んでいることから、異常と感じ関係機関に通報した。事故原因は、受液器側バルブの閉止が不完全であったことと、中和作業中に作業員が現場を離れてしまったことによるものであった。なお、冷凍保安責任者は、冷媒回収作業を委託業者にまかせ、管理・監督を行っていなかった模様である。


(その2) 屋外被覆配管の腐食
 
(1)発生日時: 14年3月14日 16:00頃
(2)発生場所: 宮崎県下のフルオロカーボン22冷凍事業所
冷凍能力 110トン/日
(3)許可年 : 49年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 点検中(運転停止)
(6)事故概要: 受液器の冷媒が少なくなっていたので、冷媒を補充した。しかし、受液器液面計の液面位置に変化がみられなかったため、ガス漏れと判断し、冷凍機の運転を停止し、ガス検知器を用いて点検を行った。点検は、最初に、屋内の圧縮機回り、受液器と凝縮器の配管回りを、次いで、屋外の冷水タンクの前後配管について行った。その結果、冷水タンクの給液配管部より、ガス漏れが認められた。このため、給液配管の止め弁及び吸入配管の止め弁を閉止し、ガス漏れ防止措置を行った。ガス漏れの原因は、屋外配管の保冷剤を剥離したところ、配管をUボルトで固定した部分に外部腐食により穴が開いていたことから、雨水の浸入により配管が腐食したものと推定されている。


(その3) 電磁弁の交換に伴う弁フランジ部からの漏洩
 
(1)発生日時: 14年4月5日 18:14頃
(2)発生場所: 神奈川県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 279.42トン/日
(3)許可年 : 昭和40年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 工事中
(6)事故概要: アンモニア配管に取付けられた電磁弁に作動不具合があったため、同一型式の電磁弁と交換し、作動試験を行ったところ当該弁フランジと上流側ストレーナーフランジの合わせ部からアンモニアガスが1〜2kg(推定)漏えいした。直ちに、空気呼吸器を装着し、元弁の閉止作業を行うとともに、蒸気を噴霧して中和作業を行った。その際に、近くで箱詰め作業をしていた作業員がアンモニアガスを吸い、のどを痛めた。事故原因は、アンモニア冷媒給液配管(20A)の附属電磁弁を交換し、当該電磁弁フランジとストレーナーフランジの締め付けボルトに片締めがあったため、作動試験中にアンモニアが漏えいした。


(その4) ヘアピンコイルからの漏洩(廃止設備)
 
(1)発生日時: 14年7月15日 11:30頃
(2)発生場所: 宮城県下のアンモニア冷凍事業所
(3)許可年 : 昭和31年
(4)廃止年 : 昭和56年
(5)災害現象: 漏洩等
(6)取扱状態: その他(廃止)
(7)事故概要: 12時頃、近隣の住民からアンモニア臭がする旨の通報を受けた消防本部から、当該A事業所(昭和56年に閉鎖・閉鎖後は無人)の所有者であるB事業所あてその旨連絡があった。

連絡を受けたB事業所の担当者は、現場の状況を確認した後、設備会社にアンモニア処理の対応について協力を依頼した。B事業所と設備会社の担当者は、冷凍庫内に充満しているガスを排気しながら、漏洩していると推測された冷凍庫内配管内のアンモニアガスの中和処理を行い、当日の22時に作業を終了した。事故原因は、昭和56年、当該A事業所を閉鎖する際に、冷凍設備からアンモニアガスの抜き取り作業を実施しているが、冷凍庫内のヘアピンコイルに閉鎖系部分があり、そこに溜まっていた冷凍機残油に溶解していたアンモニアが長い間に気化・充満し、ヘアピンコイルの腐食部分から漏洩したものと推定されている。


(その5) 圧縮機の損傷
 
(1)発生日時: 14年8月2日 20:30頃
(2)発生場所: 岩手県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 81.4トン/日
(3)許可年 : 昭和50年
(4)災害現象: 破裂等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 7月21日、No.1の高速多気筒圧縮機が油圧低下のため、油圧保護スイッチが作動し圧縮機が停止した。このため、オイルポンプのOリングを交換し、油圧が戻ったので運転を再開した。8月2日、20:30頃、アンモニア臭に気づいた付近住民から通報があった。このため、事業所の担当者は、保護マスクを装着し機械室に行ったところ、圧縮機のグランドシール部からアンモニア及び潤滑油が漏洩しているのを発見し運転を停止した。事故原因は、8月2日、再度、油圧が低下したが油圧保護圧力スイッチが作動せず、当該圧縮機の運転が続行された。このため、焼き付きが起こり圧縮機のピストンが摩耗し、メタルが破損し、摺動部にゴミが付着し、グランドシール部からアンモニア及び潤滑油が漏洩したものと推定される。


平成14年に発生した冷凍空調施設における事故は5件で、フルオロカーボン冷凍施設におけるものが1件、アンモニア冷凍施設におけるものが4件であった。これらの事故から次のような教訓が得られるのではないでしょうか。

(その1の漏洩事故への対応)
アンモニアの回収・中和作業中は、その場を離れないようにすることは無論のこと、バルブ等の閉止操作が確実に行われているかどうかの確認が重要です。また、冷媒回収等を協力会社に委託する場合は、作業手順と監督の徹底が望まれます。特に、過去の事例を勘案すると、アンモニアの中和作業は、水槽内で行い、完全に中和したことをpH計やリトマス試験紙等で確認することが重要です。
 注)アンモニアを廃棄する場合には、中和確認をせずに、中和水槽内への連続給水によりオーバーフローをさせるようなことは、絶対にしないようにする。

(その2の漏洩事故への対応)
屋外被覆配管は、雨水等の進入により腐食が発生する恐れがありますので、雨水の浸入防止措置を徹底する必要があります。また、冷媒チャージ量が増加するような場合には、ガス漏れチェックの徹底が望まれます。

(その3の漏洩事故への対応)
電磁弁等の交換は、実施計画に従って実施することが重要です。また、交換後、電磁弁等の接続部については、不活性ガスを用いて気密試験を実施し、漏れのないことを確認した後に運転を再開する必要があります。

(その4の漏洩事故への対応)
冷凍設備を廃止する場合には、アンモニアガスと冷凍機油を完全に抜き取り、水置換等の後、設備を大気開放にしておくことが重要です。閉鎖部分を残さないよう特に注意が必要です。

(その5の損傷事故への対応)
油圧低下時点でクランクメタル等の摩耗等も推測されるので、ストレーナーとクランクケース内の清掃を行うことが重要です。また、その際に併せて冷凍機油の交換を行い異常が無いことを確認した後に運転を再開することが望まれます。

お問い合わせ先
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163





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