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平成8年(1996年)に発生した冷凍空調施設における事故について

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  平成8年に発生した冷凍空調施設における事故(通商産業省(現 経済産業省)に報告のあった事故)は5件で、そのうちフルオロカーボン冷媒によるものが2件、アンモニア冷媒によるものが3件であった。フルオロカーボン冷媒による事故を災害現象別にみると、1件が漏洩によるもので酸欠者2名を、もう1件が破裂によるもので死者1名及び軽傷者1名を伴うものであった。また、アンモニア冷媒による事故は、いずれも漏洩によるものであったが、そのうちの2件は人為的なミスによるもので、もう1件は自然災害(地震による影響)によるものと推定されている。

以下に、それぞれの事故の概要を紹介します。

(その1) フルオロカーボンガスによる酸欠(工事中)

   
 
(1)発生日時: 8年6月19日 22:30頃
(2)発生場所: 東京都下のフルオロカーボン22冷凍(空調)事業所
冷凍能力 9.3トン/日
(3)災害現象: 漏洩等
(4)取扱状態: 工事中
(5)事故概要: スーパーの野菜・飲料ショーケースが冷却不良となった。サイトグラスを確認したところ、中で泡立っているのが認められたためガス漏れと判断した。営業中であったことから商品撤去ができないので、工事業者の作業員が応急処置としてフルオロカーボンガスを補充した。閉店後(19時30分頃)、ショーケース内から商品を撤去し、工事業者の作業員が、ケース内及びケースの床下の湧水槽(4.5m×3.0m×1.5m)内に設置された配管を点検し、湧水槽内に設置されたサクション配管のエルボ部分に水分詰りを発見した。このため、低圧側の圧力が0.5kg/cm2になるまで、フルオロカーボンガスを回収した後、配管の切断を開始した。配管切断中、当該配管からフルオロカーボンガスが噴出し湧水槽内に居た作業員1名が酸欠状態となり意識を失った。もう1名の作業員が、湧水槽内の異常に気付き救出しようとしたが手に負えず消防署に通報した。駆付けた救急隊員は、湧水槽内にガスが充満し、二次災害の恐れがあったためレスキュー隊の出動を要請した。作業員は、駆付けたレスキュー隊員により救出され、2名とも病院に収容された。なお、救出された作業員は、3日後に無事退院した模様である。

(その2) 圧縮機ヘッドカバーの破損(フルオロカーボンガス回収中)

   
 
(1)発生日時: 8年8月27日 16:40頃
(2)発生場所: 茨城県下のフルオロカーボン22冷凍(空調)事業所
冷凍能力12.2トン/日
(3)許可年 : 約20年前
(4)災害現象: 破裂等
(5)取扱状態: 空調機の撤去作業中
(6)事故概要: 空調機の撤去作業の前段として、空調機中のフルオロカーボンガスを当該機器のコンプレッサーにて回収していたところ、コンプレッサーのヘッドカバーの一部が吹き飛び前方で作業していた作業員を直撃した。この事故で、作業員1名は側頭部損傷により1時間後に死亡、もう1名の作業員は肩部打撲の軽傷を負った。事故の原因は、吐出操作弁を閉じたままコンプレッサーを運転し、当該コンプレッサー内にフルオロカーボンガスを回収していたため、コンプレッサーの高圧側に異常圧が生じてヘッドカバーが破損したものと推定されている。なお、事故後の調べで、高圧遮断装置の配線は端子からはずれており、高圧圧力計は指針が振り切れ、キャピラリーチューブも破損していた模様である。

(その3) バルブの誤操作による漏洩

   
 
(1)発生日時: 8年8月1日 10:35頃
(2)発生場所: 青森県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 203トン/日
(3)許可年 : 昭和27年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 液ポンプのオイルタンクに潤滑油を補充する際に、液ポンプとオイルタンクの間のバルブを閉止すべきところを閉止せずに、オイルタンクの潤滑油補充用バルブを開いた。このため当該バルブからアンモニアガスが約3リットル漏洩した。直ちに、ホースで散水しながら、ポンプ部を減圧するとともに消防署に通報した。漏洩したアンモニアガスは、駆付けた消防車の散水により希釈された。

(その4) 配管とバルブの接合部からの漏洩(霜取り中)

   
 
(1)発生日時: 8年11月24日 11:10頃
(2)発生場所: 兵庫県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 46.6トン/日
(3)許可年 : 昭和21年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 冷蔵倉庫準備室の天井ヘアピンコイルのデフロスト作業中、衝撃により配管とバルブの接合部よりアンモニアガスが漏洩した。直ちに、冷蔵倉庫の戸を閉め散水を行ったため、外部へのアンモニアの漏洩は殆どなかった。事故原因は、震災で配管に亀裂を生じていたことに気付かず、デフロスト時に衝撃を与えたためと推定されている。

(その5) 圧縮機からの漏洩(油抜き中、バルブの閉め忘れ)

   
 
(1)発生日時: 8年12月17日 16:00頃
(2)発生場所: 千葉県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 18.5トン/日
(3)許可年 : 昭和38年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 停止中
(6)事故概要: 圧縮機クランクケースの油抜き作業中に、他の用で事業主(83才)がその場を離れたためアンモニアガスが漏洩した。アンモニア臭がするため隣人が、消防署に通報した。駆付けた消防署員と警察官とが現場調査を実施した。調査の結果、圧縮機の吐出弁と吸入弁は閉っていた。このため漏洩量が少量で、大事には至らなかった模様である。

平成8年に発生した冷凍空調施設における事故は、5件で、フルオロカーボン冷媒によるものが2件、うち1件は漏洩による事故で2名が酸欠で病院に収容された。また、もう1件は破裂による事故で1名が死亡、1名が軽傷者を負った。

これらの事故の再発防止のためには、次のような対応が重要であり、特に工事業者への情報提供が必要と考えます。

(その1の漏洩事故への対応)
(1)湧水槽内には、極力冷媒配管を設置しない。
(2)冷媒の性質・取扱いに関する再教育を徹底する。
(3)湧水槽内など冷媒が滞留する場所で作業する場合には、吸気・排気ファンにより換気を徹底する。
また、併せて酸素濃度を計測するなどして安全を確認する。
(4)湧水槽内などで作業を行う場合には、万一に備え、必ず立会者を立てる。

(その2の破損事故への対応)
吐出操作弁を閉じたままコンプレッサーを運転し、当該コンプレッサー内にフルオロカーボンガスを回収し、かつ、この回収行為の実施の際に、高圧遮断装置の配線を端子からはずした模様である。コンプレッサーを運転する際には、安全装置の機能を殺すようなことのないよう徹底すべきである。

一方、アンモニア冷媒による事故は3件で、いずれも漏洩による事故であったが、うち2件は人為的なミスによるもので、もう1件は自然災害(地震による影響)によるものと推定されている。これらの事故の再発防止のためには、冷凍空調施設のユーザーに対する地道な保安指導が期待されます。

(その3の漏洩事故への対応)
事故原因は、バルブの操作ミスと推定されており、バルブ表示の確認後、バルブ操作を実施するよう徹底する。

(その4の漏洩事故への対応)
事故原因は、震災で配管に亀裂を生じていたことに気付かず、デフロスト時に衝撃を与えたためと推定されており、地震後には、十分な点検を実施するよう徹底する。

(その5の漏洩事故への対応)
事故原因は、油抜き作業中に事業主がその場を離れたためアンモニアガスの漏洩に至ったものと推定されており、このような場合には、油抜き作業を中止するよう徹底する。

お問い合わせ先

   
 
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163
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