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平成12年(2000年)に発生した冷凍空調施設における事故について

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  平成12年に発生した冷凍空調施設における事故(経済産業省に報告のあった事故)は6件で、いずれもアンモニア冷凍施設に係る事故であった。これらの事故を災害現象別にみると、いずれも漏洩によるものであった。以下に、事故の概要を紹介します。

(その1) ドレンバルブのグランドパッキンの劣化

   
 
(1)発生日時: 12年2月13日 9:15頃
(2)発生場所: 兵庫県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 77.1トン/日
(3)許可年 : 昭和37年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 9時15分頃、ガス漏えい検知警報設備が作動したため、冷凍保安責任者が確認したところ、低圧受液器に設けた液面計のドレンバルブからアンモニアが漏洩しているのを発見した。当該責任者は、ドレンバルブのグランドパッキン及びフランジのガスケットの劣化によるものと判断し、パッキン等を取り替えるため、液面計の上下バルブを閉止した。続いて、液面計内のアンモニアを抜き取るため、バケツ(150リットル)に中和用の酢酸20リットルを入れ、液面計ドレンノズルにホースを取り付け、当該バケツにアンモニア少量ずつ注入するとともに、同時に井戸水を注入し希釈しながら2時間ほどかけて処理水を河川に放流した。更に、作業終了後、バケツ内の処理水も河川に放流した。しかし、中和が不完全であったため、河川の魚が大量に死亡した。事故の原因は、バルブのグランドパッキン及びフランジのガスケットの劣化によるものであった。

(その2) 圧縮機バイパス弁のグランドナットの劣化

   
 
(1)発生日時: 12年5月29日 6:00頃
(2)発生場所: 北海道下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 121.93トン/日
(3)許可年 : 平成9年(当該事故機の初回許可は、昭和39年)
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: スタートアップ
(6)事故概要: 冷凍保安責任者が、冷凍設備を始動させ日常点検を行っていたところ、竪型圧縮機(昭和43年製)1基の吐出と吸入を入れ替えるバイパス配管のバルブ(15A)からアンモニア冷媒が噴出漏洩しているのを発見した。このため、当該冷凍保安責任者は、冷凍設備を停止し圧縮機の吐出弁及び吸入弁を閉止した。しかし、漏洩が止まらなかったため、当該冷凍保安責任者は、危険であると判断し現場から避難するとともに消防、警察及び紋別地区の冷凍保安検査員に連絡した。駆けつけた冷凍保安検査員は、当該バルブは圧縮機の吐出側配管と吸入側配管を繋いでいるため、吸入側の配管の止弁を閉止しなければ成らないと判断し、冷凍保安責任者に当該止弁の閉止を指示し漏洩を止めた。事故原因は、事故後の調査で、当該バルブのグランドナットが経年劣化により割れを生じたためであることが判明した。この事故によるアンモニアの漏洩量は、圧縮機自体のガス保有量及び漏洩時間等を勘案し50kg未満と推定されている。なお、当該バルブの位置するバイパス配管は、圧縮機内のガスを抜くことを主な目的としている配管であり、圧縮機自体の整備時以外には使用されない箇所であり、日常点検等で十分な点検がなされていなかった。

(その3) 放出管の溶接部からの漏洩(安全弁の機能不良)

   
 
(1)発生日時: 12年9月14日 14:30頃
(2)発生場所: 茨城県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 93.4トン/日
(3)許可年 : 昭和51年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 14時30分頃、冷凍設備の運転を再開したところアンモニア臭がしたため、漏れ箇所の調査を行ったが、漏れ箇所が特定できないため、冷凍設備メーカー連絡した。15時30分頃からは、冷凍設備メーカーの担当者も加えて漏洩箇所の特定作業を行った。18時00頃、凝縮器の安全弁から除害設備に至る放出管の溶接部からアンモニアが漏洩しているのを発見した。このため、安全弁の元弁を閉止し漏洩を止めた。この事故によるアンモニアの漏洩量は、2kg程度と推定されている。事故原因は、事故後の調査で、その一次原因は、安全弁の機能不良によるものであった。また、放出管の溶接部からの漏洩は、当該溶接部に腐食が生じたことによるものであることが分かった。

(その4) 誤って、冷媒配管に穴を開けた(工事中の誤指示)

   
 
(1)発生日時: 12年11月1日 14:40頃
(2)発生場所: 北海道下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 187.0トン/日
(3)許可年 : 昭和49年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 工事中
(6)事故概要: 冷媒設備の変更工事中に、誤って工事すべきでない配管にドリル(ホールソー)で穴を開けてしまったため、アンモニアが噴き出し、作業員2名が負傷を負い病院に運ばれた。2名は、のどや目を負傷したが、いずれも軽傷であった。また、事故現場では、直ちにバルブを閉止し漏洩を止めた。事故の直接の原因は、施工業者の工事監督者が、下請業者の作業員に誤った指示を出したため、冷媒配管に穴を開けてしまった模様である。

(その5) バルブのシャフトシール部の摩耗(劣化)

   
 
(1)発生日時: 12年11月15日 3:00頃
(2)発生場所: 岩手県下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 253トン/日
(3)許可年 : 昭和41年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 午前3時頃、係員が、30分ごとの巡回中に機械室内よりアンモニア臭がしているのを確認した。調査の結果、中間クーラーへの送液管(口径15A)に取り付けられたバルブのシャフトシール部からアンモニア液とガスが噴出しているのを発見した。当該係員は、一人で処置するのは困難であると判断し、消防署に通報した。当該係員は、到着した消防隊員とともにバルブのパッキン押さえナットを増し締めし、漏洩を止めた。事故の原因は、バルブのパッキンの劣化、摩耗によるものであった。

(その6) ドレンバルブからの漏洩(噛んでいた油滓を排出)

   
 
(1)発生日時: 12年11月26日 11:00頃
(2)発生場所: 東京都下のアンモニア冷凍事業所
冷凍能力 133トン/日
(3)許可年 : 昭和27年
(4)災害現象: 漏洩等
(5)取扱状態: 運転中
(6)事故概要: 午前11時頃、当直の係員が、3階に設置されている床置き式ユニットクーラーに連結しているマルチサクショントラップの底部に取り付けられたドレンバルブ(口径20A)から、油抜き作業を行った。手順どおり作業を行い、バルブを閉止し漏れのないことを確認した後、その場を立ち去った。午後1時頃、巡回点検のため、再び現場に向かったところ激しいアンモニア臭を感じた。当直の係員は、この日が休日であったことから、1名で処置を行うと危険であり、応援要請が必要と判断し、社内緊急連絡網により出動要請を行った。最初に到着した上司が防護装備をし、午後2時頃、現場に進入し漏洩のあった当該ドレンバルブを発見し閉止した。このとき、当該ドレンバルブのハンドルがわずかに回り、完全に漏れが止まった。事故の原因は、作業終了時に、当該ドレンバルブを閉めた折り、油滓の固まりを挟み込み止まった状態であったが、その後、装置内圧により油滓が外部に排出されアンモニアが漏洩したものと推定されている。

平成12年に発生した冷凍空調施設における事故は6件で、いずれも、アンモニア冷凍施設における噴出漏洩によるものであった。これらの事故から次のような教訓が得られるのではないでしょうか。
■(その1の漏洩事故への対応)
バルブなどは、定期的に分解整備を行い、その際にパッキンやガスケットなどの消耗品は交換することが望まれます。また、アンモニアの中和処理に際しては、中和が完全に行われているか否か、確認するため、リトマス試験紙かphメーターを用意するなどの対策が望まれます。

■(その2の漏洩事故への対応)
通常使用しないバルブや、見難い位置にある機器等についても、定期的に点検し、必要に応じ、消耗品等については定期交換が望まれます。また、漏洩箇所を発見した際には、あわてずに適切な措置が講ぜられるよう、事故例等を参照し、日頃から保安教育や日常訓練を徹底し実施しておくことが望まれます。

■(その3の漏洩事故への対応)
安全弁の放出管から冷媒ガスが、室内に漏洩する事故が時々見受けられます。除害水槽の水位の確認とともに、放出管自体の維持管理も望まれます。

■(その4の漏洩事故への対応)
冷媒設備の変更工事の作業に着手する際には、工事関係者に作業計画の徹底を図るとともに、作業中も作業責任者の監視を徹底することが望まれます。

■(その5の漏洩事故への対応)
バルブなどは、定期的に分解整備を行い、その際にパッキンやガスケットなどの消耗品は交換することが望まれます。

■(その6の漏洩事故への対応)
ドレンバルブを操作すると、バルブが低温になるため、油滓が固形化することがあります。固形化した油滓は、ドレンバルブが時間の経過とともに常温に近づくと柔らかくなり内圧で排出されることがありますので、ドレンバルブの操作後、30分位してから再確認を行うことが望まれます。

お問い合わせ先

   
 
高圧ガス部 冷凍空調課
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163
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