高圧ガス保安協会は、高圧ガスによる災害の防止に向け、その保安に関する調査、研究、指導、検査等の業務を行っています。
高圧ガスは、私たちの暮らしに身近な家庭用LPガスや産業分野等、広く利用されており、私たちの生活に欠かすことのできないものです。
しかし、それらはいずれも取扱いを間違えると、大きな事故に繋がります。
当協会は、高圧ガスを安全かつ安心してご利用いただくために、より高度な保安を追求し、主に次のような業務に取り組んでいます。
1.技術基準作成
高圧ガスの保安確保のための民間規格を作成しています。
現在、高圧ガス関連事業は様々な方面に広がっており、これら関連企業では高圧ガスの災害を防止するため、自主保安活動を展開しています。当協会では、この活動をバックアップするため、独自の技術基準を作成するとともに、経済産業大臣に対し、高圧ガスの保安に関する技術的事項について意見を申し出ています。
2.検査・認定等
公正中立な機関として、検査・認定等を行っています。
当協会は、独立した第三者機関として、高圧ガス保安法、関係規則等に基づき高圧ガスに用いる容器、設備、施設等に対する検査・認定を法定業務として実施するほか、法令上義務付けられていない分野においても、当協会の自主業務として検査・認定、試験等の多様な業務を行っています。また、LPガス消費者のさらなる安心・安全を求めて、ガス警報器、不完全燃焼警報器等、各種LPガス保安機器に対する厳密な自主検査を行っています。
3.教育活動
高圧ガスを取り扱う業務に携わる資格者の養成、技術能力の維持向上等、保安のための教育・講習を行っています。
当協会は、高圧ガスの製造や販売等に従事される方を対象に、一般高圧ガス、LPガス、冷凍関連の保安対策に必要な資格を取得するための講習等を約30種類行っており、年間約10万人の方が参加しています。また、これらの講習に必要なテキスト等の出版のほか、高圧ガス保安の確保と向上のために、自主講習及び出張講習による保安教育活動を実施しています。
4.国家試験
国・都道府県から試験事務の委譲を受けて、高圧ガスの保安に関する試験を実施しています。
当協会では、「高圧ガス保安法」・「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」に基づく12種類の国家試験を実施しています。また、国・道府県から委託を受けて、免状交付事務を実施しています。
5.研究開発
高圧ガスの保安対策の向上に寄与するため、様々な設備が整った「総合研究所」で調査研究を行っています。
総合研究所では、高圧ガス保安に関する技術基準の整備や検査・認定等において必要となる技術的・専門的データの蓄積に努めるとともに、LPガス消費者の安全を確保する上で必要となる安全機器や保安システム等の調査研究を行っています。
また、新技術導入に向けた企業支援の一環として受託試験・研究等を行っています。
6.情報の収集・提供、保安啓発、技術交流支援
高圧ガスの事故、保安技術等の情報の収集と提供を行うとともに、LPガス消費者を対象とした保安啓発に努めています。また、海外からの相談や技術交流の窓口としての支援活動も行っています。
当協会の会員、関係業界の方が、高圧ガスの保安にかかわる実務、調査、研究等の資料として利用できる事故情報など、幅広く最新情報を収集し整理しています。これら集められた情報は、資料室で閲覧できるほか、事故情報については、当協会ホームページからダウンロードにより入手することができます。また、LPガス販売店向けの各種マニュアルを作成し、保安サービスの充実を図るとともに、新聞、パンフレット等を利用して全国のLPガス消費者への保安啓発活動も行っています。
7.マネジメントシステム審査登録
当協会のISO審査センターは、公平で信頼できる審査登録機関として、JAB(公益財団法人 日本適合性認定協会)から認定された機関です。
当センターでは、審査登録機関として、品質、環境、労働安全衛生、医療機器、食品安全マネジメントシステムの審査登録業務を行っています。
また、高圧ガス分野をはじめ、電気、化学、機械、建設からサービス業に至るまで広範な産業分野に豊富な審査実績があります。
本部(東京)のほかに全国7つの地域に所在する審査員により、受審企業とのコミュニケーションを密にし、企業活動に相応しいマネジメントシステムの審査登録業務を提供しています。