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超低温酸素容器の取り扱いについて

コンテンツ

超低温酸素容器の取り扱いに関する注意事項

 
 
a. 事故概要

平成16年1月13日、京都府山科区「総合病院」において、超低温酸素容器の爆発・火災事故が発生しました。

本事故の概要は、次の通りです。

配送作業者が病院の倉庫内に入り、酸素供給設備に設置されている2本の超低温酸素容器(LGC)のうち使用済みの酸素容器を取り外して、代わりに充てん済みの酸素容器を接続しました。作業が完了し、作業者が倉庫の外に出た直後、たった今接続した容器が突然爆発し倉庫内が火災となりました。この爆発により、病院の窓ガラスが破損し、10名が軽傷を負ったものです。

 
b. 事故調査

当該容器は、超低温用に製作された2重殻構造(内槽と外槽の間を真空断熱して、内槽への入熱を極力少なくする構造)を有する容器であり、現在、国産・輸入合わせ約15万本程度が流通しているといわれています。そのうちの多くは、病院などの医療現場や溶接工場で使われており、KHKでは、日常行われる作業において突然爆発したことを重要視し、「京都府医療用超低温酸素容器爆発事故調査委員会」を設置して、事故原因究明のための様々な調査、解析を行いました。

 
c. 再発防止のための注意事項

このたび、それらの解析結果を整理し、超低温容器の取り扱いに対する注意事項を、以下の通り取り纏めましたので御確認下さい。

なお、当該事故調査結果の詳細については、『京都府医療用超低温酸素容器の爆発事故調査報告書』(発行:2005年12月)を御参照下さい。

 
(1) 超低温酸素容器(酸素に限らずアルゴン、窒素等の超低温容器も同様)は、外槽と内槽を接続しているネックチューブに座屈変形を発生させないよう取り扱いには充分注意すること。特に、容器を落下させたり、転倒させるような粗暴な取り扱いをしないで下さい。使用者はメーカーの取扱説明書に従って、適正に取り扱ってください(事故調査報告書より)。
 
(2) 容器の外面(下面についても)に損傷のあるものは使用を差し控え(落下転倒した可能性あり)、メーカーに連絡し、使用の可否を判断して下さい。
 
 
外槽周溶接部のへこみ   ネックチューブの変形(外槽切除)
 
(3) 特に、容器外観のうち、外槽周溶接部のへこみ、外槽下鏡の中央部の変形(出っ張りやへこみ)、液面計取り付け部付近の陥没、液面計の取り外しの支障、上部ハンドルリングの変形、下部スカートのつぶれ等があるものは、ネックチューブが大きな変形を受けている可能性があります(事故調査報告書より)。
 
(4) 外観確認では、容器と作業者の安全確保を最優先で確認して下さい。満液の状態で倒したり、吊り荷の下に入ったりしないでください。
 
(5) 超低温酸素容器を取り扱う際には、各容器メーカーの取り扱い説明書を再度お読み頂き、説明書の記載通りに慎重かつ丁寧に取り扱って下さい。
 
(6) 超低温酸素容器の接続部等から、高圧ガスの漏えいの有無があるかどうか確認して下さい。万が一、漏れが発見されましたら、漏えいを防止する措置を適切に講じて下さい。
 
(7) 一般論ですが、高圧ガスを製造、貯蔵、販売、移動、消費等する場合には、高圧ガス保安法の定めに従って下さい。
 
(8) その他、不明な点がございましたら、各容器メーカー等にご相談下さい。
 

お問合わせ先

   
 
保安技術部門 保安基準グループ 事故調査チーム
TEL 03-3436-6103 FAX 03-3438-4163
メールフォーム

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